皆様の身近で次のような事があるのではないでしょうか。身内、肉親などに何らかの障害、例えば歩けなくなったり、半身不随になったり、その後寝たきりになり、認知症(分り易くいえばこれまでの痴呆症)で介護に憂慮しているなど。これらにつき何が原因で起きたのか、またどう対処したらいいのかなどにつき神経内科医としてこれまでの経験から述べさせて頂きます。
まず頭の病気は分りやすく分類しますと以下の様になります。
分類はともかく日本人において一番問題となり頻度が高い病気は脳卒中です。これは前記の通り動脈硬化から起きます。ここでこの原因につき考えてみます。
日本人は食塩の摂取量が欧米人に比較しかなり多い民族です。食習慣の差でしょうか。1日の食塩の摂取量は12グラムと欧米の人達の1.5倍であるとの統計結果があります。このため高血圧症がかなりの頻度が高いのが現状です。
高血圧の弊害は圧倒的に脳卒中が多く、特に近年の高齢化社会も考慮しますと特に脳梗塞(動脈が詰まる状態)が増加しています。これは以下に述べますが基礎になる重要な病気(病気です、お忘れなく)に対して皆様の健康への認識および我々医療者スタッフの努力不足も関与しているのかもしれません。
ここで現在の我が国で生活習慣(遺伝的要素も有ります)により起こると考えられ皆様も御存知の生活習慣病につき少し触れたいと思います。
生活習慣病(以前では成人病)とは
以上脳血管疾患を中心にまたその原因の概略を述べたつもりです。脳卒中、心筋梗塞など自覚症状が出てから病院に駆け込むのではなく出切れば健康診断などを含め日頃から御自分の健康状態を確認してもらい早めに我々医療機関に訪ねてもらえればと思います。
日本は長寿国とされています。医療費の増加の問題も有るかとは思いますが、なによりクオリティーオブライフ、つまり心身共に健康で皆様が人生を謳歌出来る事を願い医師としてお手伝いが出来ればと考えています。
(神田医師会 亀谷雅洋)