緑内障は、40歳以上の病気と思われがちです。 眼科医の知識の中では当然ですが、あらゆる年齢の人が罹患する病気です。
何らかの原因で視神経が傷害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその原因の1つと言われています。
緑内障の眼には、眼圧、視神経乳頭、視野の特徴的変化の少なくとも一つがあります。眼圧を十分に下降させることにより視神経障害の改善あるいは進行を阻止できる、眼の機能的構造的異常を特徴としています。
後頭部が痛い、肩がこる、目頭が重い、目の奥が重い、片目で見えないところがある、症状がないこともあります。
眼圧が上昇してから約3ヶ月くらいしてから視神経に変化が出てきます。
病気の変化として、眼圧→視神経→視野の順番に悪くなります。
つまり、視野が見えなくなるには時間がかかります。
それは、どんな病気でも早期発見、早期治療を行わなければ最終的な事態になります。その最終状態が失明なのです。
失明とは、明かりを失うと書きます。明かりを失わなければ、失明とは言わないわけです。
ところが、この日本語には裏があります。それは、失明には視野の関係が含まれていないからです。
人間の目は、視野の真中でものを見ています。
ある1点を固定して見ているとその周りは見えています。その周りは、ゆがんだりぼんやりと見えます。
何かがあるのがわかりますが、この状態でしっかりものを確認することはできません。
つまり、真ん中は暗く見えない状態になっても明かりはわかります。
この状態は、失明とは表現しないのです。
緑内障は、治療することができます。
ここでの治療は、元に戻す(正常な状態=視野の改善)ではありません。
進行を食い止める治療を行うのです。治療しないと現状よりも進行してしまいます。
緑内障の治療で一番大切なことは、現在の状態を生涯にわたり進行をしないように医師と患者が信頼関係を持ち管理していく事です。